内気な兄は、教会の牧師に面と向つて、思ふままに質問が出来ないのでおのづとそれが内に鬱没とし、やがて私の方へ発して来るのでした。
彼女は、自分の
内気な引込み思案の性質を顧みるより先に、此の住居の位置が自分を現代的交際場裡へ押し出させないのだと不満に思う。
店出しの宵——それは誰でも悲しい経験に相違なかったが、自体が
内気な生まれつきで、世間というものをちっとも知らないお染は、取り分けて今夜が悲しかった。
当人も妹のことを聞いて、その病的に
内気なところに興味を持ち、頻りに紹介を頼むことだから、まあ会って見給えというほどのことだった。
ああ、しかし、そんな
内気な臆病者こそ、恐ろしい犯罪者になれるのだった。
彼等は、わたくしに較べて、ずっと賢明ないしは
内気であるため、その秘密について告白されないで、普通なみの人間のように振舞っていられるのではなかろうか。
内気で淑かな娘らしい深雪と、勝気で男優りの淀君とは、女としてまるきり正反対の性質ですけれど、私にはこの二人の女性に依って現わされた型が好きなのです。
どっちかといえば、
内気な、鈍重な、感情を表面に表わすことをあまりしない、思想の上でも飛躍的な思想を表わさない性質で、色彩にすれば暗い色彩であると考えている。
ただ偶然にできた出来合いの友人だけで満足しているのは
内気な人間の特徴であるが、この弁護士の場合もそうであった。