柵は
几帳を押しやってふと立ち上がる気勢を見せたが、
床
几の前には冷たそうな小流があったから手桶の水を汲もうとしてちょいと気がついた。
チーア卿は、
几帳面に精算をし、小銭の釣銭までちゃんと取って、街を向うへふらふらと歩いていった。
耳にはいるのは
几帳の向うに横になっている和泉式部の寝息であろう。
地蔵縛りし藤の花——
几董の句のおかげで、きょうも私は一つの話を聞き出した。
が、蝶鳥の
几帳を立てた陰に、燈台の光を眩しがりながら、男と二人むつびあふ時にも、嬉しいとは一夜も思はなかつた。
(幡隨院長兵衞の子分並木の長吉、橋場の仁助は床
几に腰をかけてゐる。
聲の中に噫と一聲、床
几から轉げ落ちさう、脾腹を抱へて呻いたのは、民子が供の與曾平親仁。