氏の無邪気な
利己主義が、痛ましい程愛他的傾向になり初めました。
つまり一段階に於いて感じた男子の
利己主義も、それをつぐなつて余りあるだけの男の偉さを、第二段に於いて感ずるやうになつたのです。
そんな時、相手の立場はあまり兄には考へられない一種の愛すべき
利己主義と兄はなるのでありました。
唯相手を選ばなかつた為に(秀夫人の
利己主義や動物的本能は実に甚しいものである。
」こう気がついたのは、主人であったか、読者たる私であったか忘れましたが、とにかく
利己主義な慈悲の例証にこの話は役立つものです。
利己主義者を以て任ずる僕の自己犠牲を行つたのは偶然ではない。