狐媚盛んに世に行はれ、福利の神と迄なり上つたのは、荼吉尼法の
功徳を説いた、東寺真言の手が見える様に思はれる。
癌腫の患者などの臨終には、むしろモルヒネの大量でも与えて、苦痛を完全に除き、眠るが如く死なせた方が、どれ程、患者に取って
功徳になるか知れないではあるまいか。
趣味で日記をつけてゐるといへばそれまでだが、かういふ種類の日記は、早く死んで、早く人に読ませると
功徳になる。
よしや一斗の「モルヒ子」に死なぬ例ありとも月夜に釜を抜かれぬ工風を廻らし得べしとも、当世小説の
功徳を授かり少しも其利益を蒙らぬ事曾て有るべしや。
上一人の位を望むべからずとの天戒を定め玉い、この天戒を守らばその
功徳に依って、DS の尊体を拝し、不退の楽を極むべし。
その
功徳によつてか、幸ひ、おやぢの黒い影も白い影も現はれなかつた。
そのちと苦しい目にあはせて、心身の鍛錬を圖るも、亦一の
功徳ならずや』とて、檄を天下に飛ばして、有志の士を募り、北郊巣鴨驛に相會し、午後七時半を以て、程に上る。