二人のうしろには、
半ば木の間にかくれた、小さな修道院がある。
見上げると、高い石の橋欄には、蔦蘿が
半ば這いかかって、時々その間を通りすぎる往来の人の白衣の裾が、鮮かな入日に照らされながら、悠々と風に吹かれて行く。
赤い筋のある軍帽が、
半ば裂けた間からは、いが栗坊主の頭が覗いている。
と同時にまっ白な、光沢のある無数の糸が、
半ばその素枯れた莟をからんで、だんだん枝の先へまつわり出した。
しかも車掌がベルの綱へ手をかけながら、
半ば往来の方へ体を出して、例のごとく「御乗りですか。
芭蕉はさつき、痰喘にかすれた声で、覚束ない遺言をした後は、
半ば眼を見開いた儘、昏睡の状態にはいつたらしい。
上げ潮につれて灰色の帆を
半ば張った伝馬船が一艘、二艘とまれに川を上って来るが、どの船もひっそりと静まって、舵を執る人の有無さえもわからない。
先生の顔は、
半ば頬をその紙の中にうずめながら、静かに眼をつぶっていた。
その石がぬっと
半ば起きかかった下に焚火をした跡がある。