様様な苦心をして、チャラチャラと衣
嚢に弄ふ数個の銀貨を、例外なしにみんなコニャックに代へてしまふ。
こんな事をするのは軍艦に乗つてから、まだ始めてでしたが、ビイムの裏を探すとか衣
嚢をのせてある棚の奥をかきまはすとか、思つたより、面倒な仕事です。
長雨の中に旗を垂らした二万噸の××の甲板の下にも鼠はいつか手箱だの衣
嚢だのにもつきはじめた。
蜘蛛は糸の敷物の下に、いつの間にか蠢き出した、新らしい生命を感ずると、おもむろに弱った脚を運んで、母と子とを隔てている
嚢の天井を噛み切った。
先生に侍して、雪に埋れた北海道を横断する自分は宛然腰巾着の如く、痩せて小さい躯を其横に据ゑて、衣
嚢から新聞を取出した。
何も申の歳だからとて、視ざる聴かざる言はざるを尚ぶわけでは無いが、
嚢を括れば咎無しといふのは古からの通り文句である。
別の衣
嚢へ手を突つこんで、やをら青い碁盤縞の木綿の手巾を取りだした時、はじめて、※豚に真珠さ……※と、諺めいたことを口のなかで呟やいただけぢやつた。
長男素早く寫眞にとりたるは好かりしが、後、陸上にて革
嚢をおとして、種板を打碎きしは、いづれ波の縁を免れざりしにや。