其神の常在る国を、大空に観じては高天原原」は罫
囲み]と言ひ、海のあなたと考へる村人は、常世の国と名づけて居た。
が、敵大勢なれば物の数ともせず、
囲みを解いて去るべくも見えぬ。
その花を、たくましい腕のやうな蔓がひつ提て、あちこち気儘にはひ廻り、そして私達の住居を
囲み、私達夫婦の『繊細な暮し』を脅かしはじめた。
曰く「軍を三道に分って、一は熊本を
囲み、一は豊前豊後に出でて沿海を制し、一は軍艦に乗じて長崎を襲う」と、云うのだ。
彼もさすがに満腹したらしく、勿論なんの挨拶もなしに、諸人の
囲みをぬけて又ふらふらとあるき出した。
袋棚と障子との片隅に手炉を
囲みて、蜜柑を剥きつつ語ふ男の一個は、彼の横顔を恍惚と遙に見入りたりしが、遂に思堪へざらんやうに呻き出せり。
あとは唯、何人かの弟子たちが皆息もしないやうに静まり返つて、或は右、或は左と、師匠の床を
囲みながら、限りない死別の名ごりを惜しんでゐる。
嫌悪すべき人生の中年期がそのがらくたを引っくり返して私を
囲みつつあることは事実である。
わが青年の名を田宮峰二郎と呼び、かれが住む茅屋は丘の半腹にたちて美わしき庭これを
囲み細き流れの北の方より走り来て庭を貫きたり。