議論する時は、
声の大きい方が勝ちだというのは一応の真理だが、私は一言も喋らずに黙っている方が勝つということを最近発見した。
保吉は大佐よりも一足あとに薄暗い廊下を歩みながら、思わず「おや」と云う
声を出した。
風の音、蘆の音、水の音、——それからどこかでけたたましく、蒼鷺の啼く
声がした。
遠くで二三度、角の音がしたほかは、馬の嘶く
声さえ聞えない。
その
声に応じて出て来たのは、美しい支那人の女の子です。
うとうとして、ノオトに一頁ばかりブランクが出来た時分、ロオレンス先生が、何だか異様な
声を出したので、眼がさめた。
片目は、うすいあばたのある顔に、しいて作ったらしい微笑をうかべながら、どこか無理のある
声で、快活にこう言った。
なんでもこの時は内蔵之助が馬をひいて花道へかかると、桟敷の後ろで母におぶさっていた私が、うれしがって、大きな
声で「ああうまえん」と言ったそうです。