井中の蛙は僕だが、
大海を忘れるよりも、かうなると徒然の娯しみが、却て苦痛だ。
大海の中にぽつんと産み棄てられた様な様子が「天一柱」と言ふ島の古名に、如何にもふさはしいといふ聯想と、幽かな感傷とを導いた。
またこれを餌にして、
大海へ釣りに行けば巨鯨が釣れるかも知れぬ。
政治家によし独創はなくとも、政治は歴史の姿に於て独創をもち、意慾をもち、やむべからざる歩調をもって
大海の波の如くに歩いて行く。
自然は広漠たる
大海にして、人生は廷々たる浮島に似たり。
だからまして、廣く
大海を探つて一粟をつまみあげろと言つた難題には、二の脚を踏まずには居られません。
鮮紅の仙人掌の花は、やうやく逼り來る黄昏のかげにつゝまれながら、
大海の潮を傾け盡すも洗ひ去り難い、重い罪の斑痕のやうに見える。
聴かずや、過ぎゆく時劫のすゝみをして声あらしむるは、
大海の限りなき調とぞ言ふなる。