そして坑の底からさす
天空の、月のやうな反射をぢつと眺めてゐるのである。
北太平洋と南太平洋とに於て、激烈なる火山活動が始まり、その噴出物は
天空に舞上って太陽の光を遮断するに至る。
コバルト色に深く澄み渡つた南の空に、大粒の宝玉のやうに燦々と光り輝く十字星は、
天空一ぱいに散乱する群星を圧してゐた。
こうして一日波浪のピアノの音、
天空と海の広い襞の中に遊んでいると、頭も身体も生気に満ちて、実際に生きている喜悦と歓喜に戦くようなことがある。
じつに博士は、一塊の宇宙塵として
天空にその姿を消されたのであった。
そしてところどころに、研究所の古風な赤煉瓦の建物が頭を出していたが、それとはまた別に一棟、すばらしく背の高い白壁づくりの塔が
天空を摩してそびえていた。
天空はたちまち一変して、不思議な肉色に変り、暫くの間は、彼女がいるところさえも判らなくなった。