家を焼かれた八道の民は
親は子を失い、夫は妻を奪われ、右往左往に逃げ惑った。
——いや勇之助が三歳の時、たった一遍、
親だと云う白粉焼けのした女が、尋ねて来た事がありました。
底本の
親本:「筑摩全集類聚版芥川龍之介全集」筑摩書房
そこで彼は敵打の一行が熊本の城下を離れた夜、とうとう一封の書を家に遺して、彼等の後を慕うべく、双
親にも告げず家出をした。
底本の
親本:「筑摩全集類聚版芥川龍之介全集」筑摩書房
底本の
親本:「筑摩全集類聚版芥川龍之介全集」筑摩書房
唯僕の如き悪夫、悪子、悪
親を持つたものたちを如何にも気の毒に感じてゐる。
なれど
親の代から「ぜんちよ」(異教徒)の輩であらなんだ事だけは、手くびにかけた青玉の「こんたつ」(念珠)を見ても、知れたと申す。
八島士奴美は彼よりも、女
親の櫛名田姫に似た、気立ての美しい男であつた。