教育のある婦人にあらねど、ものの本など
好みて読めば、文書く術も拙からで、はた裁縫の業に長けたり。
家が呉服商であるから、着物に対する眼もこえていて、柄の
好みなども一流であった。
勇猛にして無欲清浄にして器量大、廉直にして隠すところなく、明敏にして能く察し、慈恵にして下を育す、
好みて忠諫を容るる等、その善き所なり」と云った。
伝吉の父は伝三と云い、「酒を
好み、博奕を
好み、喧嘩口論を好」んだと云うから、まず一村の人々にはならずもの扱いをされていたらしい。
その頃、若殿様は大そう笙を御
好みで、遠縁の従兄に御当りなさる中御門の少納言に、御弟子入をなすっていらっしゃいました。
「光と闇と交錯していちじるき明暗や色彩を生むとき、誰か
好みてその薄明の中を徨彷はざるものありや」と、若々しき心に於いて「朧」を註するものである。
従つて、岐阜提灯をヴエランダにぶら下げたのも、先生の
好みと云ふよりは、寧、奥さんの日本趣味が、一端を現したものと見て、然る可きであらう。
秀林院様はよろづ南蛮渡りをお
好み遊ばされ候間、おん悦び斜めならず、わたくしも面目を施し候。
我も亦幼時甚だ之を
好みて、兄に侍し、姉に從ひて、食と眠りを忘れしこと屡々なりき。