唯でさへその猿の
容子が可笑しい所へ、かやうな名がついたのでございますから、御邸中誰一人笑はないものはございません。
御親子の間がらでありながら、大殿様と若殿様との間くらい、御
容子から御性質まで、うらうえなのも稀でございましょう。
どこまで駈けても、高粱は尽きる
容子もなく茂っている。
御釈迦様は地獄の
容子を御覧になりながら、この※陀多には蜘蛛を助けた事があるのを御思い出しになりました。
羅生門の楼の上へ出る、幅の広い梯子の中段に、一人の男が、猫のように身をちぢめて、息を殺しながら、上の
容子を窺っていた。
羅生門の樓の上へ出る、幅の廣い梯子の中段に、一人の男が、猫のやうに身をちゞめて、息を殺しながら、上の
容子を窺つてゐた。
唯でさへその猿の
容子が可笑しい所へ、かやうな名がついたのでございますから、御邸中誰一人笑はないものはございません。
それから松岡がこの間、珍しく学校へ出て来て、西洋哲学史か何かの教室へはいつたが、何時まで待つても、先生は勿論学生も来る
容子がない。
顔は扇をかざした陰にちらりと見えただけだつたが、紅梅や萌黄を重ねた上へ、紫の袿をひつかけてゐる、——その
容子が何とも云へなかつた。