そのような、貧しい農家の
有り様は、今にして、東北地方の暗鬱な空気が感じられます。
この
有り様を知ると花は、急に小さな心臓がとどろきました。
その簡単な
有り様は、太古の移住民族のごとく、また風に漂う浮き草にも似て、今日は、東へ、明日は、南へと、いうふうでありました。
ちょうど、この
有り様を、外からもどってきた吉坊の父親が、見たのでした。
そのとき町の人々は、子供が泣きながら爺さんの手を引いて逃げようとして、爺さんが胡弓を振りあげて犬をおどしている
有り様を見ても黙っていました。
よく、よく、この
有り様を記憶しておいて、彼らに教えてやらなければならないなどと空想しました。
学校の屋根に止まって、じっとこの
有り様を見守っていたつばめがありました。