さう云ふ事があるものですから、奈良島が見えないと云ふと、
将校連も皆流石に、ぎよつとしたやうでした。
しかしその実、この二人の
将校は、互いに相手の長所を尊敬しあっていたのだ。
君も知っている通り、千枝子の夫は欧洲戦役中、地中海方面へ派遣された「A——」の乗組
将校だった。
ガンルウムに集った
将校たちはこんなことを話して笑ったりした。
前線から帰ってくる
将校斥候はロシヤ人や、ロシアの大砲を見てきたような話をした。
尚お面白いのは、T女の父が、海軍
将校であった為めに、はしなくも彼女の出生地がその守護霊と関係深き三浦半島の一角、横須賀であったことであります。
が、不幸にして二年間の経験によれば、予は教育家として、殊に未来の海軍
将校を陶鋳すべき教育家として、いくら己惚れて見た所が、到底然るべき人物ではない。
しかし明子はその間にも、相手の仏蘭西の海軍
将校の眼が、彼女の一挙一動に注意してゐるのを知つてゐた。