もう年を老ってしまっておりましたから、まるで御隠
居様のようになっていたんで御座いましょうね。
幸い当方に於いても、三面の奇景は申すに及ばず、異なりたる風俗なんど、絵に書き取りて、わが君初め、御隠
居様にも御目に掛けたいと存じたる折柄。
「しかし前の部屋よりは、広くもあるし
居心も好いし、不足を云う理由はないんだから、——それとも何か嫌な事があるのかい?」
これは山里村
居つきの農夫、憐みの深いじょあん孫七は、とうにこの童女の額へ、ばぷちずものおん水を注いだ上、まりやと云う名を与えていた。
瘤の中にさえ竜が
居たなら、ましてこれほどの池の底には、何十匹となく蛟竜毒蛇が蟠って
居ようも知れぬ道理じゃ。
現に或時はよその御隠
居様をつかまへて「あなた、仏蘭西語を知つていらつしやる」などととんでもない事を尋ねたりした。
始めはちよいと
居睡りが見つかつて、叱られたかと思つたが、見ると先生は、マクベスの本をふり廻しながら、得意になつて、門番の声色を使つてゐる。
その中でも哀れをとどめたは、兄弟のやうにして
居つた「しめおん」の身の上ぢや。
葡萄蔓かとも見ゆる髪の中には、いたいけな四十雀が何羽とも知れず巣食うて
居つた。
三男は
居どころが遠い上に、もともと当主とは気が合はなかつたから。