佐々木君に従えば同じ
山形県でも酒井家の領分を離れた
山形地方では、オクメナイ様といっているという。
斎藤という人は信濃のサムライあがりだが、
山形ではじめて女相撲を見て、こいつはイケルと思った。
手を懐にしたまま胸を突出し、半纏の袖口を両方入
山形という見得で、
その朝
山形を出はずれてから持っていた提灯を消したように憶えている。
山形で下車して有吉君に行程のことを電話し、次の列車に乗りかえて北に進む。
山形人士の舟遊に伴はれて最上川に遊びしに、人あり、水に臨める、宏壯なる家を指して曰く、芭蕉翁、當年かの家に宿れり。