読み終えて、
巻くともなしに手紙を掌に持ったまま、私の冥想は徐に、さまざまの方へ向かっていった。
それから机の抽斗をあけてキチンと片づけて、押しこんだいたずら書きの紙屑や糸くずをちゃんと展ばして、紙は帳面に作り、糸は糸巻きに
巻きました。
夜目にはその着ている物の色目もはっきりとは知れなかったが、筒袖も袴も洗いざらしのように色がさめて、袴の裾は皺だらけに
巻くれあがっていた。
次第に、谷が蹙って来る、水は、大石の下に渦を
巻く。
だから、その頃まだ加賀国や土佐国で
巻く精巧な毛鈎が移入されなかった奥利根川の釣り人は、播州鈎や京都鈎に藻蝦の肉を絞り出し、餌としてつけたのであった。
「自らパンを得る青年」として、彼の「小さな母」を煙に
巻くぐらゐの舌はもつてゐる。
今夜こそと思っていると、朝四つ刻、黒船の甲板が急に気色ばみ、錨を
巻く様子が見えたかと思うと、山のごとき七つの船体が江戸を指して走り始めた。
どうかして敵を打ちたいと思いますが、何分向こうは三上山を七巻き半も
巻くという大むかでのことでございますから、よし向かって行っても勝つ見込みがございません。