今もそのアパートはあるだろうか、濡雑
巾のようにごちゃごちゃした場末の一角に、それはまるで古綿を千切って捨てたも同然の薄汚れた姿を無気力に曝していた。
そのじうたんを上草履で踏んで右手の壁のまん中にある三尺
巾の引戸を開けると、そこが本当のお手水場であつた。
唐犬びたいとほうろく頭
巾のほかに、まだ三人の仲間が侍たちのあとをつけて来て、桜のかげに先刻から様子を窺っていたのであった。
煤だらけな顔をした耄碌頭
巾の好い若い衆が気が抜けたように茫然立っていた。
遠い上流は知らず、千曲川も此の辺りは甚だ平凡な川で、堤防下の川畑を浸して
巾の広い水がただ勢ひよく流れて居るだけである。
おまけに乾いた古雑
巾のように薄汚い服装をしていた。
嘗て、戟を横へて、洛陽に源氏の白旄軍を破れる往年の髭男も、一朝にして、紅顔涅歯、徒に
巾幗の姿を弄ぶ三月雛となり了ンぬ。
摘み集めながらうたう歌がおもしろいので、燕たちもうたいつれながら葡萄摘みの袖の下だの頭
巾の上だのを飛びかけって遊びました。