家康に卑屈なほどのお世辞を使ひ、北条の悪意のこもつた背信に
平然三年間も人事のやうに柳に風、すべては昇運の勢である。
平然として激し、恬然として心にもなきことを語る術ではないか。
村重
平然として、口ずから喰ったと云うが、後で考えればひどい事をする奴だと思ったに違いない。
この孫の父、つまり私の長男が小さかつたとき、私の親友が抱いても泣きさけぶのに、偶※上京してゐた私の長兄には
平然として抱かれてゐた。
かういふ大家の字がこんな風で、
平然として居られてみると、僕のやうな、まあ自由主義といつたやうな奴にも、結論がつきにくいね。
りっぱな公卿にとがめられても、娘はたいして驚こうともしないで、
平然として訊き返した。
彼は電車へ乗る心算で、十銭持つて歩きながら、途中で気が変つて、煙草屋へはいると、
平然として「往復を一つ」と云つた人間だからこんな事は家常茶飯である。