無論敏感ではないが、さりとて並以下に
鈍感といふこともなく——さて、今となつては、音の感受性に就てさへ、何等の特異さを認めることも出来ないのだ。
鈍感で舌のまわらない私は、私の尊敬する友達をなんとかして少しでも理解してもらひたいと思ふあまり、色々な辛酸を重ねなければならなかつた。
小柄な、痩せてゐるやうで妙に肉づきのよい、
鈍感のやうで妙に敏活な動きを見せる女の裸体の魅力はほんとに見あきない。
しかしながら、その仏蘭西劇の伝統を、特質を、完全に紹介し得たならば、日本の鑑識ある好劇家は、決してその魅力に
鈍感な筈はないのである。
また、これを以て「曾我廼家」劇の類となすものゝ
鈍感さ、偏狭さ、他愛なさは敢て問題とするに足らぬ。
俳優については、殊に、未熟、自信のなさ、
鈍感さ、横着などは別として、そのマンネリズムが第一、芝居を「狭く」する。
あくまで
鈍感な私は、昨夜のできごとをこの黒板の字に結びあわすことをしないで、ただ先生の命令どおり受影機の前に坐って、スイッチをいれた。
何が真であるかいつわりであるかの意識、何が美しいか、醜いかの感覚の
鈍感な者があったら誰しも低級な人間と評するだろう。