いつだったか、……いや、覚えている、六年前のことだ、……「川那子丹造の真相をあばく」という、題名からして、お前の
度胆を抜くような本が、出版された。
何でもない普通の占いをするのに、運命をお買いなさいませなどと、さも物々しく呼び止めて、
度胆を抜いて金を巻き上げる。
いや、僕ではない、近所の青年が
度胆を抜かれよった。
一頭の毛皮が、その頃千円も二千円もすると聞いて、ひとびとは
度胆をぬかれた。
僕等は生活様式や境遇は失業者に違いないが、一度、ハンマーを握らせ、配電盤の前に立たせ、試験管と薬品とを持たせるならば、彼等の
度胆を奪うことなどは何でもない。