後に段々、単に文学者の優美に触れるものとしてよりか、扱はれなかつたとしても、言語伝承として、其
形骸だけでも久しく存続した訣なのだ。
形骸に霊魂を結合させると、
形骸は肉体として活力を持つやうになり、霊魂はその中で、育つのである。
それでないと、遂に、戯曲の本質に触れない、云はゞ
形骸のみの模倣に陥り易い。
三重子もこう言う鳥のように
形骸だけを残したまま、魂の美しさを失ってしまった。
なにかの手がかりを見付け出すために、達磨は無残に突きくずされて其の
形骸は滅茶苦茶に破壊されてしまったが、男の死骸以外にはなんの新らしい発見もないらしかった。
しかし銀座あたりの「昔」は、よしんば、その
形骸が備はつてゐようとも、大正震災この方三変四変してゐるから、遠い回顧の跡は無い。
今日、君に向つてこの死んだ歴史を語る——然し、少しく
形骸を言ふならば、君は直に詩眼を以て、その血肉を悟得して呉れることを、僕は信じて居る。