ちょうど或朝少し後れて家を出たが、時間が例より
後れたから駈出したのサ。
津村と村井とは、互に
後れるのを恐れるように、犇めきながら部屋の中に這入って、扉をピッタリと閉めた。
閏のあった年で、旧暦の月が
後れたせいか、陽気が不順か、梅雨の上りが長引いて、七月の末だというのに、畳も壁もじめじめする。
露国が思想の発達に於て欧洲諸隣国に
後れたる事、既に久し。
小池はさうやつて、三つ四つ五つの籾を噛み潰してから、稻の穗をくる/\と振り※はしつゝ、路傍に佇んで、
後れたお光の近づくのを待つた。
ところがサンフランシスコ出帆の竜田丸に乗り
後れたならその運動に間に合わない。
『如何にして斯くは
後れたるぞ』と問へば、『三四人一と群れとなり居りたるが、いづれも草鞋を買はむとて、一店に入る。
小父さんは登志子の顔を見ると昼の汽車に
後れたことを彼女のためだといって責めた。