しかし、読みすすんで行くうちは、この悠々と露出しているトリックに、どうしても気
附くことができないのである。
「店ぐるみ総じまいにして、一箇々々袋へ入れたって、もう片が
附く時分じゃないか。
それに
附いて行くわたくしは、どうしてもお供といふ形でございます。
ふと気が
附くと、窓の前でペタッ、ペタッといふ音がします。
それ等も目のある人が見れば何の苦もなく見分けが
附くものである。
病院でも、西洋人の入院患者は初めてだつていふし、あたしも、西洋人なんかに
附くのは初めてなんですもの……。
僕は、この男は導者だといふことを意識してゐるのみで、あとは分からずに
附いて行くに、導者は突如として或る巌角から僕の手を捉へて左手へ飛び下りた。
兎に角向う側の春本つて藝者屋へ逃げるんだつて言ふから、あたしも
附いて行くと、もうそこの家は人で一ぱいなの。
父の一人兒であつた自分は、其の腰巾着のやうに、行くところへは必ず
附いて行くといふ風であつた。