「遣れよ、さあ、(戻馬乗らんせんか、)と、
後生だから一つ気取ってくれ。
ここは構わないで、湯にでも入ったら可かろうと、湯治の客には妙にそぐわない世辞を言うと、言に随いて、ではそうさして頂きます、
後生ですわ、と膠もなく引退った。
上の御用とはいいながら、大勢の人間に縄をかけては
後生が思われる。
「じゃあ頼む、お前さん
後生だ、代わりにかけておくれ。
親は子のはじまり、師匠は
後生のはじまり、ごきげん伺いに行きゃ先生がたがよぼよぼのしわをのばしてお喜びなさるから、いっておせじを使っていらっしゃいというんだ。
後生、唐の詩文を読み街鼓に及ぶ者、往々にして茫然知る能はず。
かう云ふ倅の死んだことは「
後生よし」と云はれるお住にも、悲しいとばかりは限らなかつた。
が、女房は、まだ若いのに、
後生願ひで、おそろしく岩さんの殺生を氣にして居た。