寛(総生)は寛でさまざまなもの、例えば秘伝の類、芸妓になる心
得だとか地獄を買う田地だとかいうようなものを書いて一しきりは流行ったものである。
自業自
得だなんて、云つてみたところで、そいつは一人の人間を救ふことに役立ちやしない。
その上また、身ぶりとか、顔つきとかで、人を笑わせるのに独特な妙を
得ている。
求馬は早速公の許を
得て、江越喜三郎と云う若党と共に、当時の武士の習慣通り、敵打の旅に上る事になった。
私は女中を呼んで部屋を代へることを交渉したが、少しも要領を
得なかつた。
しかしその次を読んで見れば、おのづから微笑を禁じ
得ない。
——しかし未完成と呼ばれてゐるセザンヌの画さへ未完成かどうか多少の疑ひなきを
得ない。
されば身のたけも抜群なに、性
得の剛力であつたに由つて、伴天連が「ぜんちよ」ばらの石瓦にうたるるを、防いで進ぜた事も、一度二度の沙汰ではごさない。
されど予はその例証として、今日も猶予が胸底に歴々たる一場の光景を語らざるを
得ず。