此龍がおにおふさまの
御身をかしこみたふとむ所よくよくに思たまへ。
侍「恐れながら御前さまはお大名の
御身で有りながら、お月さまと仰せられましては、小児童子の言の葉にて、歌俳諧にでも月は月で事は足り居ますやう存ます。
キサマの造った品物がオメガネにかなう筈はないが、日本中の男という男がまだ見ぬ恋に胸をこがしている夜長姫サマの
御身ちかくで暮すことができるのだからさ。
然るに
御身は殊の外彼の人を忌嫌い候様子、拙者の眼に相見え候えば、女ながらも其由のいい聞け難くて、臨終の際まで黙し候
どんな
御身分の方が、お慰みに、お飯事をなさるんでも、それでは御不自由、これを持って行って差上げな、とそう言いましてね。
……さればこそ一世の大海賊赤格子九郎右衛門も遁れることが出来ず、
御身達の手に捕えられたのじゃ。
但
御身に恙なきやう、わらはが手はいつも銃の口に、と心を籠めた手紙を添へて、両三日以前に御使者到来。