またこのやうな考へから導き出されて來た方法はこの小説の全部に浸みわたつてゐて、どのやうに
微細な感情のニユアンスでも彼は掴まへて來て生命を與へる。
マラルメは「クー・ド・デ」の
微細な推敲に耽つてゐた。
繰り返して言ふが、こんな
微細な片隅は末節であつて、小説の真価はこんなところでは評価できるものではない。
ところが、いままで、濃霧か沼気かと思っていたのが驚いたことに雲のように群れている
微細な昆虫だったのです。
その画は
微細な効果には乏しいにしても、大きい情熱に溢れていた事は、我々友人の間にさえ打ち消し難い事実である。
同義語を盛んに用ゐる必要のある処から、言語の
微細な区別を考へることに進んで来た。
私どもの知識欲は、この荘厳にして視神経を刺戟する程度の強さが、容積の大から来るそれに匹敵する山岳に対して、もう少し、
微細に深刻に入って見たい。
誇張に過ぎず、独り合点に陥らず、
微細な表情と動きに、おのづからなユウモアを漂はして、見事に見物の頤を解かした。
黄色く光る障子を背景にして、黒子のように黒く点ぜられたその蝿は、六本の脚の
微細な動きかたまでも清逸の眼に射しこんだ。
微細な菌が、こまかに縺れた蜘蛛の巣のようになって檐から垂れさがり、建物の外側一面を蔽いつくしている。