特にその幾日というものは其処で好い漁をしたので、家を出る時には既に西袋の景を思浮べ、路を行く時にも早く雲影水光のわが前にあるが如き
心地さえしたのであった。
おんぶするならしてくれ、で、些と他愛がないほど、のびのびとした
心地。
温泉に入って、雪から起き上った熊笹と流れに泳ぐイワナを見た時に再び春にあった
心地がした。
彼は自分の内部の方から何となく
心地の好い温熱が湧き上って来ることを感じた。
がらす砕け失せし鏡の、額縁めきたるを拾いて、これを焼くは惜しき
心地すという児の丸顔、色黒けれど愛らし。
これが私には一番自然なことで、又たあの当時の生活の一番好い記念に成るような
心地がする。
庭の内も今は草木の盛な時で、柱に倚凭って眺めると、新緑の香に圧されるような
心地がする。
警察官が彼の家を捜索して鼻を見つけ出す、そして自分が告発されるのだと思うと、まるで生きた
心地もなかった。