若し袴を逆にはいたり、刀を右に差したりして、それで何でも関はぬと云つて居る人があれば、明かに、其人は
心理的欠陥を有してゐる。
各人物の言葉に盛られた感情なり思想なりが、その
心理的境遇の推移と歩調を合せてゐない、これは劇的作品の致命的弱点であらうと思ひます。
殊に、全篇を流れる情調と場面場面の雰囲気、あの匂やかな機智の閃きと、
心理的詩味の波動とを、自分のイメージとして、しつかり頭の中に描いて行つた。
「語られる言葉」と「行はれる動作」の最も直接的な、最も暗示的な表現、そこからのみ生れる
心理的詩味のうちにあるとは云へないだらうか。
「
心理的飛躍に伴ふ言葉の暗示的効果」——これは、戯曲の存する限り、総べての劇作家が心血を注ぐべき一点である。
「
心理的飛躍に伴ふ言葉の暗示的効果」が、最も細密に計画されてゐることである。
それと同じに在来の芝居の台詞にしても、その「抑揚」から「緩急」に至るまで類型的な標準によつて、人物個々の
心理的ニュアンスを無視してゐる。
つまり、女は女自身、男と生理的及び
心理的に違つてゐる点を強調することによつてのみ、世の中の仕事に加はる資格が出来ると思ふ。
それは自殺者の自尊心や或は彼自身に対する
心理的興味の不足によるものであらう。