人の子を死へ馳りたてることは
怖るべき罪悪であるが、これも戦争である以上は、死ぬるは同じ、やむを得ぬ。
遊び半分の百姓剣法だろうなぞと講談本にでてくる生意気な武者修業者のようなことを考えると大マチガイで、真剣勝負に徹した
怖るべき剣法である。
怖るべき孤独のまぎらす術を失つた私は彼の無情を憎んで、見つけ次第絞め殺してやらうといふ想念に苦しめられて弱つた。
そして中也はそれから後はよく別れた女房と一緒に酒をのみにきたが、この女が又日本無類の
怖るべき女であつた。
文学といふものには、言葉に対する
怖るべき冷酷な審判官がをるので、この審判官を作者といふ。
皆さんは、家庭以外に於ける自分の子供のことを知らなさすぎ、学校に於けるよその子供のことに全く無関心だといふ
怖るべき怠慢さについて反省なさつたことはありますか?
平野謙が最も成績優秀で、大井広介、荒正人は
怖るべき敵ではないようだったが、私は然し、犯人をピタリと当てたのは二ツぐらいしかなかった。
「自分の眼は、実際牝牛の眼のやうだらうか?」彼は恐る
怖る自らに問うた。