三十か、あるいは四五にもなっているかも知れないが、痩せた青い顔に
憂慮と不安のいろが漂い、神経質らしい太い眉を深く寄せている。
とは思ったが、歴々彼処に、何の異状なく彳んだのが見えるから、
憂慮にも及ぶまい。
彼の心には、今のところなんの不安もなければ
憂慮も存在していなかった。
修理のこの逆上は、少からず一家中の
憂慮する所となった。
これ勝伯の当時においてもっとも
憂慮したる点にして、吾人はこれを当時の記録に徴して実にその
憂慮の然るべき道理を見るなり云々。
殊に今は、疝気を起こしているのだから、爺は、仕事への倦怠と、伜への
憂慮との、この二つの間にもだもだしているのである。
はぐくみ參らす三度のものも、殿の御扶持を賜はりて、鶴が虚空を運びしかば、今は
憂慮ふ事なし? とて、年月を經る夜毎々々、殿は美しき夢見ておはしぬ。
一つは村里に近いたと思ふまゝに、里心がついて、急に人懷かしさに堪へないのと、一つは、水のために前途を絶たれて、渡るに橋のない
憂慮はしさとである。
第一 其感覺する所のものは平素
憂慮する所のものと少分の關係を有せさるものを撰ふを要す