も一つ、妻の苦労の種は、夫の凝り性が、もし生ける女性にでも向けられるとなつたときの
惧れである。
翁は山を愛するが、しかし山を
惧れ、そして最後に山を信じた。
何で人はああも衰えというものを極度に
惧れるのだろうか。
文化運動も専門家の運動でありすぎると、この巡査のやうなことになる
惧れが非常にあるのではないかと私は考へるのであります。
かういふ問題を数へ上げたらそれこそいくらもあるだらうが、素人考へは片手落になる
惧れがある。
さて、かういふと、私は、前に述べた「戯曲至上主義者」の仲間と見られる
惧れがある。
内供は日常の談話の中に、鼻と云う語が出て来るのを何よりも
惧れていた。
しかも、そこにあるのは、彼の心もちに何の理解もない、徒に万一を
惧れている「譜代の臣」ばかりである。
床に臥せつて熱に魘される間も、主人の機嫌を損じはしまいかと、それが譫言にまで出る程絶えず
惧れられた。