「手近」の例文

「手近」の書籍での例文

三日三晩考え抜いた揚句、やっとの思いで彼は案外手近に一つの案を発見したのだった。

過ぎ難い世を、少しでも善くしようと言ふのは、宗教や道徳の為事であつても、凡人の浄土は、今少し手近な処になければならなかつた。

彼女は、手近に居た青ン膨れの看護婦に訊いた。

が、その声が聞えないのか、男は手近の灰皿へ、巻煙草の灰を落したきり、新聞から眼さえ挙げようとしない。

ともかくも引っ返して本人たちの家をたずねてみようと思って、まず手近の庄五郎の門をたたいたのであった。

手近かな話だ。

手近かな例を二三挙げてみる。

この使命の選に當つたのが、前に蒲類海で手腕を示した班超で、彼は三十六人の部下を引率して、尤も手近な※善國に往き、漢に歸順せんことを勸誘した。

ノラ　（忙しげに手近の小包を開きながら）さうですよ。

かれは意にもなく手近の小枝を折り、真紅の葉一つを摘みて流れに落とせば、早瀬これを浮かべて流れゆくをかれは静かにながめて次の橋の陰に隠るるを待つらんごとし。

すべてが手近に揃っているから、一日潰してスキーに出掛ける必要がなく、貴重な時間を節約できる。