「いや、僕は、恥かし乍ら、腰を
抜かしてしまうだろうと思います」と浮世絵研究家のB君が言う。
小作料が高いの、人間は平等ぢやなぞと
抜かして、屁理窟ばかりこね居るわい。
坂下の酒屋の小僧なら、そのまま腰を
抜かす処を、学海先生、杖の手に気を入れて、再び大音に、
濁醪を引掛ける者が大福を頬張る者を笑ひ売色に現を
抜かす者が女房にデレる鼻垂を嘲る、之れ皆他の鼻の穴の広きを知て我が尻の穴の窄きを悟らざる烏滸の白者といふべし。
あれまア、こんな所で転寝さして、風邪引くでねえかと傍さ寄ると、俺もう少しで腰さ
抜かす所だったゞ。
といったまま、おじいさんもおばあさんも、びっくりして腰を
抜かしてしまいました。
良しや清水に居るとても、離れまじとの誓いごとは、反故にはせまじと現を
抜かして通わせました。