ところが——此の残酷な顛末を、瓦斯燈の柱に
攀ぢ登りプラタナの繁みに隠れて逐一窓越しに見届けてしまつた胡散な男があつたのだ。
取縋る松の枝の、海を分けて、種々の波の調べの懸るのも、人が縋れば根が揺れて、
攀上った喘ぎも留まぬに、汗を冷うする風が絶えぬ。
第一意味をとるだけでも、メレデイス、ジエエムス、ペエタア等の英吉利文芸の峯々に
攀づることは好い加減の語学力では出来ぬことである。
堪へ難い不快にも、余り眠かつたから手で払ふことも為ず、顔を横にすると、蠅は辷つて、頬の辺を下から上へ
攀ぢむと為る。
僕は辛うじて巌壁から
攀ぢのぼつたが、此処には誰も人どほりがない。
人間は自ら建てたバベルの塔に
攀ぢ登らん為に競ひ苦しむ。
其の鐵の如き健脚も、雪を踏んではとぼ/\しながら、前へ立つて足あとを印して上る、民子はあとから傍目も觸らず、
攀ぢ上る心細さ。
錦葉の蓑を着て、其の階、其の柱を
攀ぢて、山々、谷々の、姫は、上※は、美しき鳥と成つて、月宮殿に遊ぶであらう。
合せて三合、これにて程よく醉ひ、瓢箪は滿ちたるまゝにして、去つて穴澤天神に詣で、祠後の山を
攀ぢて絶頂に至る。