ただ孵化り立の蝉が弱々しく鳴くのと、山鶯の
旬脱れに啼くのとが、断れつ続きつ聴えるばかり。
後日完全無欠の焼け野原となり、もうけたのは町会長とか、そういう連中で、疎開でねじ倒した材木だけ焼ないのがあったから、無断チャクフクして
旬日ならずして新築した。
況んや歳を享けて五
旬を踰ゆ、以て夭折となすべからず、官を累ねて三位に至る、以て幽滯となすべからず。
十一月の下
旬だったが、Fは帰ってきて晩飯をすますとさっそくまた机に向って算術の復習にかかった。
最後に旧暦の十一月下
旬だから、海上を吹いて来る風が、まるで身を切るやうに冷い。
「此頃やはり、毎日少しづつでも歩くせゐか、脚の具合がたいへんいゝやうだ」と、最後に見えたのは三月下
旬だつたが、父はさう云つて悦んでゐた。
更に街西の僧院を假りて獨り心靜かに書を讀ましむるに、日を經ること纔に
旬なるに、和尚のために其の狂暴を訴へらる。