辰夫は周期的に発狂する遺伝があつて、私が十六の年彼とはぢめて知つた頃も少し変な
時期だつた。
紫式部、清少納言、和泉式部などがその絢爛たる才気によつて一世を風靡したあの
時期だ。
盆は普通、霊魂の游離する
時期だと考へられて居るが、これは諾はれない事である。
女学校を出て既に三四年もたち、自分の体を早くどうにか片付けなければならない大事な
時期だというのに、弟のお守りなんかに日を送っていることはつらかった。
将軍家の栄耀其極に達して、武家の代は、将に一転機を劃せんとした
時期だと言ふ。
恐らく、あの頃から後の数年が、一番多種多様の諜報機関が、国内で活動した
時期だと思う。
己と袈裟との間の恋愛は、今と昔との二つの
時期に別れている。
が、今は
時期が
時期だし、私は強つい顔を見せたのである。
明治年間、殊に、日清戦争から、日露戦争前後にかけての期間は、最も軍国主義的精神が、国内に横溢した
時期だった。
なぜならば、実行に先立って議論が戦わされねばならぬ
時期にあっては、労働者は極端に口下手であったからである。