私は一匹の揚羽蝶をつかまへただけで、
昆虫の素ばしこさには手を焼いてゐるから、彼の活躍の後姿を眺めながら煙草をふかしてゐるのであつた。
ところが、いままで、濃霧か沼気かと思っていたのが驚いたことに雲のように群れている微細な
昆虫だったのです。
明石君は
昆虫の研究家であると同時に、二科会系統の新進画家なので、特にかういふ仕事に興味をもつたのであらう。
さうしてまるで草木や
昆虫の世界に間借でもしてゐるやうに楽しまれた。
空襲にも助かつたこの小筆が、一夜のうち(多分さうだらう)に一
昆虫のために、坊主にされてしまつた。
就中蒐集と云ふことには小学校に通つてゐた頃、
昆虫の標本を集めた以外に未嘗熱中したことはない。
部屋の間、草の間、樹の上、みな
昆虫の吟詠があっていろいろの音色が合奏し、いとも不思議な感じがする。