病気から例の神経衰弱を誘い出したのと、連日の
暑気と、朝から晩まで寝て暮しているのとで、毎晩どうも安らかに眠られない。
かくて、庖丁の刃金は研ぎ減り、駱駝は
暑気に腐ってしまった」
それがこの三年以来の
暑気だという東京の埃りの中で、藻掻き苦しんでいる彼には、好い皮肉であらねばならなかった。
その
暑気をふせぐには、七月二十九日に黄粉の牡丹餅をこしらえて食うがよい。
お日さんにかんかん照り付けられて、
暑気するがなあ。
お定が十五(?)の年、も少許で盆が来るといふ
暑気盛りの、踊に着る浴衣やら何やらの心構へで、娘共にとつては一時も気の落着く暇がない頃であつた。
時は九月の初め、紅塵飜へる街頭には尚ほ赫燿と
暑気の残りて見ゆれど、芝山内の森の下道行く袖には、早くも秋風の涼しげにぞひらめくなる、
ちょうどそれは、私の心臓のなかで、脈打ちの律動が絶えず変化していくように、波打つ
暑気の峰と谷とだ。
ときどき犬は、このうだるような
暑気のもよおす物憂さにたえかねてでありましょう、のどの奥からキューンと妙な音が出るほどの、大きなあくびをするのでありました。