キサマの造った品物がオメガネにかなう筈はないが、日本中の男という男がまだ見ぬ恋に胸をこがしている夜長姫サマの御身ちかくで
暮すことができるのだからさ。
我々はラジオなしで
暮すことはできるが、精神の伝統から切り離れて物を考え、また生きることは大そうむずかしい。
気疎い顔に、まぢ/\と日を
暮す、日なたぼこりの年よりの姿が、目の先に来る。
勿論、何をしなければならないといふ身の上ではなかつたが、ねが働きものゝ彼としては、遊んで
暮すといふことの方が辛かつた。
毎日午前だけ講演に行った私は、午後と夜とをこの座敷で、はなはだ泰平に
暮す事が出来た。
「こう毎日毎日、単調な原ッぱを、女気なしに汗臭い輜重車を引きずり廻して
暮すんじゃ、面白うないわい」
出羽奥州の人たちは、湯を娯しむと言うより、年中行事として、尠くとも一週間なり、半月なり、温泉場で
暮すと言う風を守っている。
それがこの山の上の港へ漂い着いて、世離れた測候所の技手をして、雲の形を眺めて
暮す身になろうなどとは、実に自分ながら思いもよらない変遷なのである。