それから手ごろな素焼の瓶が一つ、この男の
枕もとに置いてあるが、これも中に何がはいつてゐるのだか、わからない。
枕もとに置いた時計の針が、十二時近くなったのを見ると、彼はすぐにメリヤスの襯衣へ、太い腕を通し始めた。
が、不思議にもその童児は頭を土へ落すどころか、石のあった空間を
枕にしたなり、不相変静かに寝入っている!
それから
枕もとの電燈を消し、じきに眠りに落ちてしまった。
三重子はさんざんにふざけた揚句、フット・ボオルと称しながら、
枕を天井へ蹴上げたりした。
——何でも古い黄八丈の一つ身にくるんだまま、緒の切れた女の草履を
枕に、捨ててあったと云う事です。
僕はその次の晩も僕の母の
枕もとに夜明近くまで坐っていた。
盧生は青磁の
枕から頭をあげると、眼をこすりながら大きな欠伸をした。
その障子の方を
枕にして、寂然と横はつた芭蕉のまはりには、先、医者の木節が、夜具の下から手を入れて、間遠い脈を守りながら、浮かない眉をひそめてゐた。
扨、私申し条も相立ち候へば、即刻下男に薬籠を担はせ、大雨の中を、篠同道にて、同人宅へ参り候所、至極手狭なる部屋に、里独り、南を
枕にして打臥し居り候。