酒でもぶっかけると元華族になる、子爵のなれの
果てというようなひどい意味であったかも知れません。
砂山に生え交る、茅、芒はやがて散り、はた年ごとに枯れ
果てても、千代万代の末かけて、巌は松の緑にして、霜にも色は変えないのである。
しかし、旅支度さえ充分でない上にすぐと悪漢達に追いかけられたりして、姫は全く不安と饑えとで、疲れ
果ててしまったのでした。
山桜は、散り
果ててしまったが、野生の藤が、木々の下枝にからみながら、ほのかな紫の花房をゆたかに垂れている。
それを誰より先に気づいたのは、あの白い広間のまん中に、食さえ断って横わっている、今は老い
果てた母蜘蛛であった。
彼女が自分自身の時間を惜しむ近頃の癖から、もう一つは口やかましい祖父に対する反感から、眠り
果てぬ眠りを装うているのだということは、祖母も母も感付いていた。
漱ぎ
果てつ、書斎なる小机に据ゑて、人なき時、端然として、失言を謝す。
そして鉛色の野の
果てからは、腐肥をあさる卑しい鳥の羽音が聞こえてくる。
一番の勝負の
果てぬ間に、宮といふ名は普く知られぬ。
秀林院様(細川越中守忠興の夫人、秀林院殿華屋宗玉大姉はその法諡なり)のお
果てなされ候次第のこと。