その骨肉や、先輩たちの、「山師は山で
果てる」言葉通りの死を痛みつつも、やはり山から離れられない所に山人の宿命がある訳だ。
しかしこの遍路は一生こうして諸国を遍歴してどこの国で
果てるか分からぬというのではなかった。
勿論いざやつてみると、自分の姿に感激するどころの騒ぎではなく、先生一瞬にして老衰し
果てる始末となつてしまつたがね。
……来かゝる途中に、大川が一筋流れる……其の下流のひよろ/\とした——馬輿のもう通じない——細橋を渡り
果てる頃、暮六つの鐘がゴーンと鳴つた。
今までの己が一夜の中に失われて、明日からは人殺になり
果てるのだと思うと、こうしていても、体が震えて来る。
併しこの遍路は一生かうして諸国を遍歴してどこの国で
果てるか分からぬといふのではなかつた。
根も葉もない幻想の翫弄物になつて腐り
果てる自分ではないか。
こんな暑さの中でまで、精も根もつき
果てるほど働いていながら、さてどこのどいつが僕をこうまでこき使うのやら、僕は自分でも知らないのさ。