肉が
柔らかいので生で食うことはないが、焼いて食う場合は見事なものである。
これは落ち鮎頃のかたくなったのでは口にできないが、七、八月のまだ
柔らかい頃には、頭も骨も共に食うと本来の味と香気が舌に応えるのである。
五月の真昼は、何とすがすがしい
柔らかい風が吹くことであろう。
なるほど、おいかわや鮭の子釣りには、小味の趣があって人に知れない楽しみを、
柔らかい竿先に感ずるのであるけれど、そればかりやっていたのでは世間が狭い。
『娘さんよ、河のあまり近くに行つては危険ですよ、河原の石がころ/\してゐますからね、こつちへいらつしやいな、
柔らかい地面を選んで坐りませうよ』
硬いような、
柔らかいような、なんともいえない一種特別の物質である。