あるいは木魚や鐘を使ったり、またバタバタ音を立てるような種々の形容
楽器に苦心して、劇になくてはならない気分を相応に添えたものである。
私は今も、
楽器をかゝえ、野山をヘンレキして、ひなびた村の門に立って、自作の詩劇を唄う旅人を考える。
唄も
楽器も踊りも、地方で十分芸道化した時代であつた。
ある日、後殿のかたにあたって、笙歌の声が俄かにきこえたので、彼は怪しんでみずから見とどけにゆくと、殿中には数十の人が手に
楽器を持っていた。
漆黒の胴、飴色の皮、紫の締め緒を房々と結んだやや時代ばんだその鼓は生命ない木製の
楽器とは見えず声のある微妙な生物のように彼の瞳に映ったのであった。
それは古風な大和琴だの筝だのといふ
楽器を鳴らして、緋の袴をはいた小さな——非常に小さな——巫女が舞ふのが、矢張り優美だつたといふ記憶がのこつてゐる。
ドアの外でまた女達が、
楽器の音に賑かに踊り出した。
六ばんめの妖女は、どんな
楽器にも、名人の名をおとりになりますように、といいました。
それで、ひとしきり片づくと、むすめは、本をよんだり、ハープシコードピアノに似た昔の
楽器をならしたり、糸車をまわしたりしました。