「此のごろ」の例文

「此のごろ」の書籍での例文

お前は此五年有余の年月を、忠実に、時には愛情を以て己に仕へてくれた。

春の心臓

芥川竜之介

いずれにしろ稚純な心には非情有情の界を越え、彼と此の区別を無みする単直なものが残っているであろう。

富士

岡本かの子

先生此逆境に立ちて、隻手羅曼主義の頽瀾を支へ、孤節紅葉山人の衣鉢を守る。

「鏡花全集」目録開口

芥川竜之介

長く響いた気笛が森林に反響して脈々として遠く消え去せた時、寂然として言ふ可からざる静さに此孤島は還つた。

空知川の岸辺

国木田独歩

此三四日来飛電の驚くべきもの続々として来れり其重大なるものを上れば

廿年後之戦争

芥川竜之介

處が此アルゼリヤ國の中でブリダアといふ市府の人は分ても怠惰ることが好き、道樂をして日を送ることが好きといふ次第である。

怠惰屋の弟子入り

国木田独歩

廣々した湖のやうな此入江を横ぎる舟は僕等の小舟ばかり。

少年の悲哀

国木田独歩

長「なぜったって此の形じゃア往かれねえ……手前のを貸しねえ」

梅「でも汚ない此んな狭い処へ」

しかし此の際咄嗟に起った此の不安の感情を解釈する余裕は固よりない。

浜菊

伊藤左千夫

「此のごろ」のオンラインでの例文

基督教は中より外に向て働くものでありまして、社会主義其他総て此世の主義が外より中に向て働くのとは全く其行動の方法を異にします。

たいたけ

　此処で私は考えつきました……、私は今腐っていても物書きです。

千里望

此処はお山が大き過ぎて蔭をうんと蔓延はびこらせるものだから、それでなくとも少ない日照時間が更に短い。

いち

此方と彼方の間にまたがる暗闇に光を投げかける「指差す標識の事例」とは何か。

誰も悪くないこれは悲劇や

完全に出遅れた私が撮った放水の様子の写真が此方。

前山邦夫

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