三木雄は、その生理作用にも依るものか、性質もぐっと内向的で、その焦点に可成り鬱屈した熱情を
潜めていた。
焉馬、三馬、源内、一九等の著書を読む時に、われは必らず彼等の中に
潜める一種の平民的虚無思想の絃に触るゝ思あり。
中庸というものが群集の全部に行き渡るやいなや、人の努力は影を
潜めて、行く手に輝く希望の光は鈍ってくる。
深く今日の社界を学び、其奥底に
潜める毒竜を捉らへ来つて、之を公衆の眼前に斬伐せんとの志か、正太夫。
中にも、この手紙をくれた友人が中野の方へ新しい家を造って引移ってからというものは、ずっと声を
潜めてしまった。
しかしそれは全然影を
潜めているのではなく、この作の処々に現れて微妙な効果を収めていることは、細心な読者には容易に認め得るところである。