——人々はもはや耳かきですくうほどの理性すら
無くしてしまい、場内を黒く走る風にふと寒々と吹かれて右往左往する表情は、何か狂気じみていた。
一張羅を
無くしては仕様がないじゃあないか、エ、後ですぐ困るじゃ無いか。
其の事
無くして而して強ひて行かんよりは、之に因りて而して自から補はんに若かず。
羈旅に
無くして此れにあるのは憂憤の情の激越であることだ。
着なれない洋服なんか着て行つたので、何処のポケットへ入れて
無くしてしまつたのか、そんなことで復りの切符もなくしたんだ。
私は反古にして
無くして仕舞いましたが、先達て此事を話し出した節聞いたらば、麗水君は今も当時写したのを持って居るという事でした。
今日の世に処して、物的欠乏の中に偉大なる精神を保つ覚悟
無くしては、精神的仕事にも、社会革命にも従事することはできない。
ところが彼には一つの悪い癖があって、酒が大好きで飲みだすと怠け出し、注文主も書物も紙も何もかも、たちまちの中に
無くしてしまう。